「単語は少し聞こえる。でも文章として意味が入ってこない。」
英語学習者から非常によく聞く悩みです。
リスニングというと、「耳が悪い」「発音が分からない」「ネイティブが速すぎる」といった原因を想像しがちですが、実際にはそれだけではありません。
今回紹介するWさんも、まさにその状態でした。
英会話レッスンで先生がゆっくり話してくれる内容はある程度理解できます。しかし、まとまった試験音声や実際の外国人同士の会話になると、時々単語が聞こえてくる程度で、文章として内容がまとまらないという悩みを抱えていました。
ところが、取り組み方を整理し、必要な部分を重点的に強化した結果、3か月後にはシンプルな英文であればその場で内容を理解できるレベルまで伸ばしていくことができました。
今回は、その過程を紹介します。

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リスニングが苦手な人によくある状態
Wさんは受講開始時、英語が全くできないわけではありませんでした。
ゆっくり話されれば理解できることもありますし、知っている単語も一定数ありました。
しかし実際の音声になると、
- 単語は時々聞こえる
- 文章全体の意味がつながらない
- 聞き終わった後も内容が曖昧
という状態でした。
本人としては、
「聞き取れない」
という感覚でしたが、実際にはいくつかの要素が重なっていました。
原因① 語彙と文法がまだ十分に定着していなかった
まず見えてきたのは、語彙と文法の問題です。
知識としては学習していても、聞いた瞬間に意味が出てくる状態にはなっていませんでした。
例えば日本語でも、知らない専門用語だらけの会話は聞き取れません。
英語も同じです。
音は聞こえていても、
- 単語の意味が出てこない
- 文法構造が分からない
状態では内容を理解できません。
リスニングは耳だけの問題ではなく、語彙力や文法力とも密接に関係しています。
Wさんの場合も、文章を聞いたときに親しみのない単語や構造が多く、理解を妨げている様子が見られました。
原因② 英文を文章として聞く経験が不足していた
もう一つの課題は、文章単位でのリスニング経験でした。
英語は日本語とは語順が大きく異なります。
英語に慣れていない段階では、
- 主語が来る
- 動詞が来る
- 補足情報が続く
という英語独特の流れを追うことが難しくなります。
つまり、英語という言語の展開パターンそのものにまだ慣れていなかったのです。
そのため、一つ一つの単語は知っていても、文章全体になると理解が追いつかなくなっていました。
まず強化したのは基礎語彙
そこで最初に取り組んだのが基礎語彙の強化でした。
Wさんには、基礎語彙約1000語レベルを中心に、
英語を見たら日本語の意味がすぐ出てくる状態
を目標にしてもらいました。
ここでは難しい単語はほとんど扱いません。
日常会話で頻繁に登場する基本語を優先し、
毎日英→日の暗記練習
を継続してもらいました。
リスニング初級段階では、
「難しい単語を増やす」
よりも
「基本単語を瞬時に認識できるようにする」
方が重要な場合が少なくありません。
英文の骨格となる文法を整理した
次に行ったのが文法の整理です。
文法書を最初から最後までやり直したわけではありません。
リスニングで重要な部分に絞りました。
具体的には、
- 文型
- 主語と述語
- that節
- 接続詞
- 関係詞の基本
などです。
リスニングでは細かな文法知識よりも、
「今どこが主語で、どこが動詞なのか」
を瞬時に判断できることが重要です。
骨格が見えるようになるだけでも、理解度は大きく変わります。
Wさんも文法を整理していく中で、
「文章の形が少し見えるようになった」
という感覚を持ち始めました。
毎日3文だけディクテーションを行った
そして最も継続したのがディクテーションです。
ただし量は多くありません。
毎日、
単独の英文を3文程度
だけ行いました。
長い段落ではありません。
1文単位で、
- 音声を聞く
- 書き取る
- 答え合わせをする
- 再度聞く(聞き取れない箇所は重点的に)
という流れです。
ディクテーションは地味な練習ですが、
- 音の聞き逃し
- 語彙不足
- 文法理解不足
などを非常に見つけやすいトレーニングです。
また、英語の語順に慣れる効果もあります。
短い文を毎日継続したことが、大きな積み上げにつながりました。
1か月後に起きた変化
取り組みを始めて約1か月。
Wさんから、
「主語と動詞くらいまでは入ってきやすくなった」
という感想が出てきました。
以前は単語が断片的に聞こえるだけでしたが、
- 誰が
- 何をしている
という文章の中心部分が見え始めたのです。
これは非常に大きな変化でした。
リスニング力向上では、
いきなり全部聞こえるようになるわけではありません。
まず文章の骨格が見え始め、そこから徐々に情報量が増えていくことが多いのです。
3か月後には文章として理解できるようになった
その後も、
- 語彙
- 文法
- ディクテーション
を継続しました。
すると少しずつ文章同士のつながりが見えるようになり、
内容をまとまりとして処理できる場面が増えていきました。
そして3か月目の終わり頃には、
比較的シンプルな英文であれば、試験音声も、ネイティブの話す文章も、その場で内容をキャッチできる
というレベルまで到達しました。
もちろんネイティブ同士の高速な会話を完全に理解できる段階ではありません。
しかし、
「単語が聞こえるだけ」
だった状態から、
「文章として理解できる」
状態への変化は非常に大きな前進でした。
リスニングは耳だけ鍛えても伸びないことがある
リスニングが苦手な人は、
もっと聞けば慣れるはず
と考えがちです。
もちろん大量の音声に触れることも大切です。
しかし、
- 語彙の定着
- 文法の定着
- 英語の語順への慣れ
が不足したままでは、聞く量を増やしても効果が出にくい場合があります。
Wさんのケースでも、単純な聞き流しではなく、
語彙を固める
↓
文法を整理し優先項目を強化する
↓
短い英文を丁寧に聞く
という
「順序良く」
かつ
「繰り返し」
の取り組みを多く含んだやり方が成果につながりました。
まとめ
Wさんは受講開始時、英会話の先生のゆっくりした英語なら分かるものの、
試験音声や外国人同士の自然な会話になると、単語が断片的に聞こえる程度の状態でした。
しかし、
- 基礎語彙の強化
- 英文の骨格となる文法の整理
- 毎日3文のディクテーション
を継続した結果、1か月後には文章の骨格が見え始め、
3か月後にはシンプルな英文であればその場で内容を理解できるレベルまで伸ばすことができました。
「練習音声をひたすら聞けばいつかネイティブと話せるようになる」
と考えて練習音声を沢山聞く例も少なくないのですが、
今回見てきたように、
- 語彙
- 文法
- 語順や展開パターン
など、身に付けるべき「側面」に対応したトレーニングを採用していける事が、スキルアップの近道になりそうです。
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