TOEIC400点台の学習者のための読解対策

TOEICで400点台を取れている学習者は、すでに英語の基礎をある程度身につけており、短文であれば大きな誤解なく意味をつかめる段階にいます。知らない単語が多くても、文中に知っている単語をいくつか見つけられるため、英文を「なんとなく」理解できることもあるでしょう。

ただしこのレベルでは、基幹的な文法知識を体系的に整理し、実際に運用できるレベルに引き上げることと、語彙をさらに積み増すことが最重要課題となります。ここをクリアできれば、半年から一年ほどの学習で600点を超えるスコアに到達することも十分に可能です。

以下では、具体的な学習の進め方を順を追って解説します。


TOEIC300点台の読解対策
TOEIC600点台の読解対策
TOEIC700点台の読解対策

基幹文法をもう一度おさらいする

400点台の学習者は、基幹文法を「知識としてなんとなく知っている」状態にあります。例えば「受動態」や「関係詞」という言葉を聞けば意味は分かるけれど、読解中に出てくると正確に処理できずに読み進めてしまう、といったケースが多いのではないでしょうか。

基幹文法とは

基幹文法とは、英文の骨格を作り、意味を理解する上で欠かせない文法のことです。具体的には次の項目が挙げられます。

  • 文型(SVOなど基本の構造)
  • 品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞の働き)
  • 副詞節(As, Since, Thoughなどでつながる文)
  • that節(名詞節や従属節の基礎)
  • 関係詞(who, which, thatなどを使った修飾)
  • 受動態(be動詞+過去分詞)
  • 不定詞(to+動詞の用法)

運用レベルまで高める

重要なのは、これらを「知識」として覚えるだけでなく、読解の場面で瞬時に認識できるようにすることです。たとえば文中にthatが出てきたときに、「これは関係詞?それとも接続詞?」と迷わず判断できる状態を目指します。そのためには、例文を繰り返し読み、音読や書き取りを通して「体で覚える」作業を行うことが効果的です。
Try it の解説や、チャットGPTに練習問題生成をしてもらうなど、勉強がしやすくなるツールも活用して行きましょう。


語彙力をさらに伸ばす

TOEIC400点台の学習者は、基礎単語帳(ターゲット1400など)でおよそ800語程度を習得している段階にあります。これは大きな前進ですが、TOEICで安定して読解力を発揮するにはまだ不足しています。

語彙の目標

次のステップとしては、まず1000語、さらに1500語と語彙を増やしていくことを目標にしましょう。TOEICの長文読解では、一文の中に3割程度の未知語があると理解が難しくなります。語彙数を増やすことで「読める部分」が増え、全体の意味を把握しやすくなります。

効率的な暗記法

  • 英語→日本語で即答できるように覚える
  • 定期的に復習を行い、苦手な単語は集中的に暗記練習を繰り返す
  • スマホアプリや単語カードを活用し、隙間時間に学習する

語彙学習は時間のかかる作業ですが、積み重ねがそのまま読解力につながります。


読解練習に進むタイミング

基幹文法と語彙をおおむね整理し、暗記が1000語を超えた段階で、TOEICの基礎レベルの読解練習問題に取り組み始めましょう。

読解テキストの選び方

  • 初級〜中級者向けのTOEIC公式問題集
  • TOEIC入門者向けの精読教材
  • 短めのパッセージから始められる参考書

いきなり難しい長文に挑戦すると挫折しやすいため、まずは短文や短いパッセージを正確に読む練習からスタートするのが効果的です。

読解演習の進め方

  • 文型や文法を意識しながら一文ずつ精読する
  • 不明点は必ず文法書や解説を確認する
  • 音読して文のリズムを体に刻む

こうした積み重ねによって、知識として知っていた文法や語彙が「使える知識」に変わります。


並行して学ぶべき追加の文法

基幹文法をマスターした後も、TOEICにはまだ多くの文法項目が登場します。たとえば、

  • 時制(現在完了、過去完了、未来完了など)
  • 接続詞や前置詞の細かい使い分け
  • 仮定法や比較級の応用

これらは基幹文法を理解していないとつまずきますが、土台がしっかりすればスムーズに学べます。読解練習を進める中で出会った文法を一つずつ整理し、少しずつ習得していきましょう。


学習の期間と到達イメージ

400点台に到達している方は、基礎力がゼロの状態から比べると大きなアドバンテージを持っています。基幹文法と語彙を集中的に強化すれば、1~2か月程度で基礎の完成を見込めるケースも少なくありません。

その後は、半年から一年ほどの期間、

  • 語彙学習(1500語以上を目標に)
  • 読解練習(テキストの難易度を徐々に上げる)
  • 文法の追加学習(演習で出会ったものを整理)

を継続することで、600点を超えるスコアに到達できるはずです。


まとめ

TOEIC400点台の学習者が読解力を伸ばすためには、以下の流れが効果的です。

  • 基幹文法を整理し、運用できるレベルまで引き上げる
  • 語彙を800語から1000、1500と増やしていく
  • 短文から精読し、読解演習を開始する
  • 読解で出会った文法を追加で学び、知識を広げる
  • 半年から一年の継続学習で600点超えを目指す

このプロセスを着実にこなしていけば、英文を「なんとなく読む」状態から「正確に理解できる」段階へと確実に進んでいけます。基礎を大切にしながら積み重ねていくことが、読解力とスコア向上の最短ルートです。

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