はじめに
TOEICのスコアを伸ばすためには、語彙・文法・リスニング・リーディングといった幅広い分野の対策が欠かせません。模試や教材を繰り返すことで基礎点は伸ばせますが、社会人にとって最も大きな課題は「学習時間の確保」です。フルタイムで働き、さらに残業が多い場合、机に向かって1時間以上集中して勉強するのは現実的に難しいのではないでしょうか。
そこで本記事では、忙しい方でも取り組める短縮型の学習メニューを紹介します。「忙しさが中程度」の場合と「忙しさが深刻」な場合に分けて提案し、1日20分以内、あるいは数分でも継続できる方法を具体的にまとめました。短時間の積み重ねであっても、続ければ確実にスコアアップにつながります。
TOEIC学習に必要な4つの要素
まずは、TOEICで高得点を狙うために外せない4つの学習分野を整理しておきましょう。
- 語彙力:基礎点数の底上げに直結。知らない単語が多いとリスニング・リーディング双方で得点を失います。
- 文法力:Part5やPart6の空欄補充問題に直結。瞬発的に正答できることが高得点には必須。
- リスニング力:試験全体の約半分を占めるため、最も効率的に点数を稼げる分野。
- リーディング力:制限時間の中で速く正確に読み解く力が必要。長文問題で得点を伸ばすカギ。
ただし、忙しい社会人にとって「全部に満遍なく時間を割く」のは現実的ではありません。状況に応じて優先順位を変えることが、無理なく継続するうえでのポイントとなります。
忙しさが中程度の場合の学習メニュー
「残業はあるが、通勤や昼休みなどのすき間を使えば1日20分程度は学習できる」という方であれば、4分野をバランスよく鍛えることが可能です。以下のメニューを組み合わせてみましょう。
語彙対策(1日5分以内)
スマホアプリや単語帳を活用し、苦手単語だけを抽出してテスト形式で繰り返します。特に 英→日の方向で確認 すると、実際の試験形式に近く効率的です。通勤電車や待ち時間など、どんな短時間でも取り組めるのが強みです。
文法対策(約5分)
文法は「まとまった演習」よりも、日々少しずつ積み重ねるのが効果的です。チャットGPTなどのAIを使い、苦手項目を集中練習するのもおすすめです。例えば、以下のように完了形や関係詞の練習問題生成もチャットGPTなら簡単にでき、質問文を用意しておけばスキマ時間ですぐに新しい練習問題に着手する事ができます。Part5対策として非常に実践的です。
—チャットGPTプロンプト一例 (時制と接続詞の練習問題生成用)—-
TOIECパート5を想定した、時制と接続詞の練習問題を生成してください
—チャットGPTプロンプト一例 (完了形の英訳練習用)—-
②進行形:
・過去進行形(be動詞過去形+Ving)
・未来進行形(will +be +Ving)
③完了形(完了、継続、経験)
・現在完了形(have+V過去分詞形)
・過去完了形(had+V過去分詞形
・未来完了形(will have + V過去分詞)
④完了進行形(継続の用法の強調で利用)
・現在完了進行形(have+been+Ving)
・過去完了進行形(had+been+Ving)
・未来完了進行形(will+have +been+Ving)
上記の英文法を、英訳練習したいので、そのための和文を作ってください
②③④の各型満遍なく練習出来る様、バランスよく出題してください
テストなので、項目名などは除いて、練習文のみ表示してください
—チャットGPTプロンプト一例 (関係詞の英訳練習用)—-
「関係代名詞を含む英文を生成してください。明示しなくて良いので 主格、目的格、所有格全てをランダムに含めてください。生成したら各英文を和文にして、和文のみ表示してください。
リスニング対策(約5分)
YouTubeなどで配信されているTOEICリスニング練習動画を活用します。重要なのは「1問だけでも毎日解く」ことです。問題数は少なくても構いません。毎日音声を聞く習慣をつけることで、自然なスピードへの耐性が高まります。
リーディング対策(約5分)
abceedなどのアプリを使って、1日1問だけTOEICのパッセージ問題を解きましょう。制限時間を1〜2分に設定し、集中して読み切るのがポイントです。読み終えたら、頭の中で要点をまとめる習慣を必ず持ちましょう。この「読んで→要約」の流れを続けることで、理解力と速読力が同時に鍛えられます。できれば設問を解くところまで実施しましょう。
→ このメニューを組み合わせれば、一日合計20分程度で4技能をバランスよく維持・強化できます。
忙しさが深刻な場合の学習メニュー
「早朝から夜遅くまで働き、まとまった勉強時間がほとんど取れない」という方は、思い切ってフルメニューを手放す必要があります。その代わりに、習得に時間がかかる分野だけを優先的に鍛える ことが大切です。
単語対策(1日1-2分)
覚えにくい単語だけを50語ほどリストアップし、そこから毎日2語を選びます。手の甲や付箋に書いて常に目に入るようにしましょう。勉強時間はほぼゼロですが、視覚的な反復によって自然に記憶に残ります。
リスニング対策(1〜2分)
問題演習は不要です。あらかじめ1〜2分の短い音源を用意しておきましょう。通勤や休憩時間に一度だけ集中して聞き、その場で口に出して要約します。声に出すのが難しい場合は、頭の中で簡単にまとめるだけでも十分です。TEDやEngpenなどの教材を使えば短時間で効率的に取り組めます。
リーディング対策(1〜2分)
同様に、演習問題は不要です。1〜2分で読める短文記事を用意しておき、すき間時間に一度だけ集中して読みます。読み終わったら要約して終了。復習は不要です。重要なのは「一瞬の集中を毎日繰り返すこと」です。
→ この方法なら、1日2〜4分程度の取り組みでも、英語に触れる習慣を維持できます。
忙しい社会人が成果を出すための考え方
短縮メニューには「何日やれば何点上がる」といった即効性はありません。しかし、一日1時間勉強している人の取り組みの1〜3割程度はカバーできる可能性があります。大切なのは「無理なく継続できる仕組み」を作ることです。
特に意識すべきポイントは次の3つです。
- 復習よりも継続を優先する
忙しい人にとって復習時間を取るのは難しいもの。完璧を目指さず、とにかく「今日も触れた」という積み重ねを重視しましょう。 - 時間を確保するのではなく差し込む
「机に向かう時間を作る」のではなく、通勤・昼休み・就寝前といった日常のすき間に差し込む発想を持つことが続けるコツです。 - 時間のかかる分野を優先する
語彙、リスニング、リーディングは伸ばすのに時間がかかります。忙しい社会人こそ、この3分野を最優先にしましょう。
まとめ
TOEIC対策は忙しい社会人にとって大きな挑戦ですが、学習を「細切れ」にし、「スキマ時間」に組み込むことで、短時間でも確かな効果を得られます。
- 忙しさが中程度なら、語彙・文法・リスニング・リーディングを1日20分でバランスよく。
- 忙しさが深刻なら、単語・リスニング・リーディングを一瞬の集中で継続。
このように状況に応じて戦略を立てることで、限られた時間の中でも確実に英語力を伸ばすことができます。
Verdeでは、こうした「忙しい社会人のための学習メニュー」をさらに個別にカスタマイズし、細やかにサポートしています。ご自身のライフスタイルに合った学習法を見つけたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
