TOEICで700点台に到達した方は、既に基礎力をしっかり固め、多くの参考書や問題集を繰り返してきた段階にあると言えます。代表的な「金フレ」「でる1000」「公式問題集」などを何周も解き終え、英語の実力としては中級から上級への橋渡しに差し掛かっています。
ここからは、スコアの伸びが一時的に停滞することも多く、実力をさらに一段高めるための工夫が必要になります。イメージとしては、単なる試験対策にとどまらず、英語圏での就学や就業といった実践的な環境でも対応できる力を目指す段階に入っていると考えると分かりやすいでしょう。
この段階で重点を置くべきは「語彙・文法の取りこぼし分の克服」「リスニングの強化」「読解力のさらなる強化」です。それぞれについて具体的な学習方法を整理していきます。
語彙・文法の取りこぼしを克服する
なぜ正答なのか、説明できるか
700点台に到達した方の多くは、既に基本的な文法項目を理解し、頻出語彙もかなりの範囲をカバーできています。しかし、まだ「取りこぼし」が残っている可能性が高いのも事実です。
例えば、見出し語は知っているけど例文が作れない語彙、正答はできるけど説明できない文法問題などは要チェックです。
解きっぱなしは要注意
こうした取りこぼしを克服するためには、間違えた問題を「一度解き直す」だけで終わらせず、解説を深く読み込み、他の例文に応用できるまで理解することが大切です。誤った選択肢がなぜ誤った選択肢なのか、中学生にも理解できるように説明するのも理解確認を助けます。
また、単語帳に載っていない語彙であっても、公式問題集や実際の模試演習の中で出会ったものは「実戦頻出語彙」として必ずリスト化して覚えるようにすると、得点の安定感が高まります。
リスニングを強化するための次のステップ
練習問題だけでは頭打ちに
リスニング高得点の受験者では、「やっと聞けている」のではなく「ネイティブのように聞いている」人が多くなります。
彼らの多くは練習問題だけにとどまらず海外ニュース、インタビュー、ドラマなど、より高度で現実的な音声に触れる習慣を持っています。
700点台で伸び悩んでいる方におすすめなのは、より自然な英語を素材に取り入れることです。具体的には、TEDのスピーチ、海外ニュース番組、著名人へのインタビュー、YouTubeのネイティブvloggerの発信する動画、さらにはアメリカやイギリスのドラマなどが効果的です。これらの素材には、教科書的な表現だけではなく、実際の会話で頻繁に使われる「リンキング(音のつながり)」「省略」「イントネーションの緩急」といった要素が数多く含まれています。
自然なネイティブの英語はいきなり全部聞き取れないのが普通
こうした素材に取り組む際には、「全部を理解しよう」と無理に構えず、まずは内容の大意をつかむことを意識すると継続しやすくなります。さらに慣れてきたら、字幕やスクリプトを確認し、聞き取れなかった部分を重点的に反復するシャドーイング練習を取り入れると効果的です。このプロセスを繰り返すことで、リスニングの限界値が押し上げられ、TOEICの音声が相対的に聞きやすく感じられるようになります。
心理学者アンジェラ・ダックワースの”Grit” は英語学習でも人気です:
読解力を高める戦略
TOEICのリーディングセクションで高得点を目指すには、「速く・正確に」読む事と同時に、「時間配分を自在にコントロールできる力」が必要です。理想的には、200問目を解き終わった段階で10分程度余裕を残し、その時間を見直しに充てることができれば、限りなく満点に近づくことが可能になります。そのために不可欠なのは、まずはやはり速く正確に読む力です。
TOEICの文章は比較的短いため、ある程度の基礎読解力があれば正解は導けます。しかし、文章量が多く、限られた時間内で処理しなければならないため、スピードが足りないと最後まで解き切れないリスクがあります。ここで重要なのは、TOEIC以外の素材 を使って「速読力」を養うことです。
おすすめは、英字新聞の記事、ビジネス誌の短いコラム、あるいは短編小説などを制限時間を設けて読むトレーニングです(News in Levels など)。ただ読むだけでなく、「要点を数行でまとめる」という作業を組み合わせると、内容把握の精度も高まります。こうした練習を継続すると、TOEICのパッセージを読むときにも「俯瞰的に全体像をつかみながら、必要な情報を素早く拾い出す力」が身につきます。
自分の現在の学習方法が合っているか知りたい方、
英語学習、頑張っているのに伸びない?「よくある8ケースの ‘目標別’」英語学習タイプ診断
で、自分の学習タイプを確認するのもおすすめです。
まとめ
700点台に到達した学習者は、既に基礎を固めており、さらに高いスコアを狙うためには「質の違う学習」を取り入れる必要があります。語彙や文法の取りこぼしを一つひとつ丁寧に回収しつつ、自然な英語素材でリスニング力を鍛え、TOEIC以外の文章を用いて速読力を磨く。この三本柱を意識した学習を続けることで、安定して800点台、さらには900点台へのステップアップが見えてきます。
TOEICの学習は単なる試験対策にとどまらず、英語力全般を高めるための通過点でもあります。700点台の今こそ、英語をより自由に使える未来を見据え、学習の幅を広げる好機と言えるでしょう。
