TOEICで600点を目指しているものの、現状は400点前後という方は多いのではないでしょうか。このスコア帯では、リスニングやリーディングを本格的に解く以前に、そもそも語彙や文法知識が十分に備わっていないことが多いです。
そのため、いきなり長文問題や模試形式のリスニングに挑戦しても「何が何だか分からない」と感じ、挫折してしまうケースも少なくありません。600点を目指す上では、まず「基礎語彙と基幹文法」を重点的に身につけ、土台を固めてから演習に入るのが最も効率的です。ここでは、お金をかけずにそのプロセスを実現する方法を整理してご紹介します。
語彙はまず800語を目標に
TOEICに挑戦する際に最初に必要となるのは、基礎的な語彙力です。数千語を一気に覚える必要はありません。まずは 800語程度 を目標にしましょう。
おすすめは『ターゲット1400』や『パス単準2級・2級』といった定番の単語帳です。これらから日常会話やTOEIC頻出の単語を重点的に学べば、文章の理解がぐっとスムーズになります。
学習法としては、
- 1日20語ずつ確認し、翌日・翌週に必ず復習する
- AIや無料アプリを使って英語→日本語、日本語→英語の小テストを自作する
- 出会った単語をノートやアプリにまとめ、繰り返し触れる
といった形で、短期集中よりも「反復」に重きを置くことが大切です。
最低限の文法を押さえる
語彙と並んで重要なのが文法です。ここでの文法は「試験問題を解くための知識」ではなく、「文章を理解するための骨格」としての基礎文法です。最初の数か月から半年で、以下の項目を優先的に学ぶと良いでしょう。
- 基本文型(SVO、SVCなど)
- 品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞の役割)
- 副詞節(when, because, if など)
- that節(意見や感情を表す文で頻出)
- 関係詞(who, which, that など)
- 分詞構文(慣れてきたら理解する程度でも十分)
これらが理解できると、TOEICの長文でも「主語は誰か、動詞はどれか、文の中心は何か」が把握しやすくなります。
理解を深めるコツは、文法を「用途とシーン」と結びつけることです。たとえば、if節は「条件を言うとき」、that節は「意見や感情を述べるとき」というふうに、自分が実際に使う場面を想像しながら学ぶと、知識が記憶に定着しやすくなります。
文法学習は無料教材やAIを活用する
独学で文法を学ぶ際には、無料教材を上手に活用しましょう。YouTubeの「Try it」などの解説動画は、中学〜高校レベルの基礎文法を丁寧にカバーしてくれるため非常に有用です。
さらにAIを組み合わせれば効果は倍増します。たとえば、
- ChatGPTに「関係代名詞を使った例文を作って」と依頼する
- 日本語訳を用意してもらい、日本語から英語に訳す練習をする
- 音声生成ツールを使って発音・リスニング練習に応用する
こうした流れで「知識→理解→実践」を回すことで、ただ覚えるだけでなく実際に使える文法知識へと変えていくことができます。
基礎が固まったら演習へ
語彙800語と基礎文法をひととおり身につけたら、いよいよTOEICの練習問題に取り組みましょう。この段階で大切なのは「文章を読む姿勢」です。
- 文の中核をなす文法事項を意識する
- 全部を訳そうとせず、大枠の意味をつかむ
- 分からない部分は立ち止まって整理する
特にリーディングでは、焦らず一文一文を丁寧に読み進めることが大切です。
リスニングは一文ごとに区切って
リスニングも同様に、最初はスピードに圧倒されがちです。しかし、聞こえなかったからといってすぐ諦める必要はありません。音声を一文ごとに止めながら、内容を確認していけばよいのです。
- 分からなかった単語は聞こえた音のままメモしてみる
- あとでスクリプトと照合する
- 出てきた単語をリスト化し、繰り返し練習する
こうした小さな積み重ねが、リスニング力を着実に高めてくれます。
文法の知識を更に広げていく
まずは基幹的な文法を大急ぎで習得した段階ですので、演習を進める中で、これまで学んでいなかった文法事項に出会うことも増えてきます。
先の基幹的な文法を習得した時と同じ要領で、ネット上で無料で利用できるTry It やチャットGPTを最大限活用して、一つ一つ知っている文法項目を増やして行きましょう。文法項目は語彙のように無数にはありませんので、是非文法で諦める事なく一通りの習得を目指して行きましょう。
400点台から600点台への成長プロセス
TOEICで400点台にいるときは、全体がぼんやりしていて「何をやっても分からない」という感覚に陥りがちです。しかし、基礎語彙と基幹文法を固め、少しずつ演習を積み重ねていくと、徐々に「読める部分」「聞き取れる部分」が増えてきます。
そうなると、自分の課題がより具体的に見えてきます。「リスニングのPart3が弱い」「Part5で文法問題を落としている」など、次に取り組むべき課題がクリアになり、学習効率が一段と高まっていきます。
まとめ
TOEIC600点を目指すには、いきなり全ての分野に手を広げるのではなく、まずは 語彙800語+基礎文法 を土台としてしっかり固めることが最優先です。そのうえで、練習問題やリスニング演習を丁寧に進めれば、点数は着実に伸びていきます。
- 語彙は800語を集中して覚える
- 文法は用途を意識して学ぶ
- AIや無料教材を積極的に活用する
- 基礎が固まったら焦らず演習へ
- 演習の中で新しい知識を少しずつ追加する
お金をかけずとも、工夫次第で学習環境は整えられます。基礎から丁寧に積み上げていくことで、400点台から600点台へのステップアップは十分に可能です。
独学が不安に感じる場合は、短期間でもコーチングを利用すると良いでしょう。
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