話す練習をしても話せない?「インプット仮説」から考える英語学習

「英会話レッスンを受けているのに話せるようにならない。」
「瞬間英作文も続けているのに、とっさの会話になると言葉が出てこない。」
そんな経験をしたことはないでしょうか。
実は第二言語習得理論の中には、
「大量のインプットを通して、話せるようになる」
と考える有名な理論があります。
スティーヴン・クラッシェン教授の提唱した「インプット仮説」です。
今回は、
- 話せない時に起きていること
- 「インプット仮説」活用の方向性
- 「インプット仮説」活用の具体ステップ
の流れで、「話す練習をしても話せない」に対して「インプット仮説」の活用方法を整理していきます。

verde の Green です。
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状況:話す練習をしているのに話せないのはなぜか
言葉を「自分事」にするステップが抜けている
そもそもなぜ話す練習をしているのに話せるようにならないのでしょうか。
実は、「言葉を知る」と「咄嗟に使える」の間にはいくつかのステップがあります。
私たちは単語帳や会話テキストで語彙や構文を見ます。
その時のステップを細かく分けると、
「見る」
↓↓
「意味を知る」
↓↓
「暗記する」
↓↓
「見かけて気づける」
と進み、ここまでは多くの人が順調です。
しかし、
・自分の場合はこの表現を一日のうちのいつ使えるか考える(内在化)
・イメージしながら練習する(自動化)」
の2ステップが抜けているケースがほとんどで、その結果、
「単語は覚えているが、自分のどの状況と結びつくかは知らない」
となってしまっているのです。
『勉強しているのに話せない理由|「内在化」を取り入れて変わった実例を紹介』を読む
「インプット仮説」は「自分事」になるまで刷り込むような動作
「インプット仮説」はいわば「刷り込み」で、
前項で触れた、
・自分の場合はこの表現を一日のうちのいつ使えるか考える(内在化)
・イメージしながら練習する(自動化)」
の2過程を経た状態まで、「聞き/読み込み」を通して達成し、その結果として自然と発話が起きる現象
と考える事ができるでしょう。
アウトプットもリスニングも英語が「他人事」ではなく「自分事」になると、一気に伸ばしやすくなります。
ここまで読んで、「刷り込みレベルまで聞き込む事はできないかも」と不安に思った方は、「インプット仮説」ではなく、
「身の回りの表現をピンポイントで拡充」していく「ピンポイントの内在化、自動化」が合っているかもしれません。
筆者 Green もこの方法で3か月程で中国語会話をマスターしました。
『「学習量ではなかった」|台湾生活3か月で気づいた “内在化” “自動化” という学習の正体』を読む
方向性:インプット仮説の2つの条件
話は戻り、
「インプット仮説」を意識したトレーニングは、どんな風に進めて行けば良いか見て行きます。
「難易度」と「量」について条件があります。
条件1:「難しすぎない」
インプット仮説は、
「言語習得は理解可能なインプットによって起こる」
というのが前提です。
ここでいうインプットとは、
- リスニング
- 読解
の両方を指します。
重要なのは「触れる内容が理解可能」であることです。
難しすぎて意味の分からない英語は「インプット仮説」の対象ではありません。
クラッシェンはこの「理解可能なインプット」を「i+1」と表現しました。
条件2:「大量」
「理解可能なインプット」は「シャワーの様に大量に浴びるべき」とも説明されています。
「大量」とは例えば、「乳幼児が母親から聞かされる母国語の量」のようにも説明されていて、
リスニングであれば、例えば「一日数時間 X 数か月間」などは一つの目安になるかもしれません。
具体ステップ
読解の場合
読解でインプット仮説を意識したアウトプットを目指す場合、
「理解できる」英文を「大量に」読むことです。
目安としては、
- 8割以上理解できる
- 辞書なしでも概要が取れる
程度の難易度の素材を一日600-1000ワード、4-6か月など読み続けられると、
アウトプットへも効果が現れてくる可能性があります。
また読解でのインプット仮説のトレーニングは、
中上級以上の、既にリスニングがある程度安定している学習者以降の導入が無難です。
というのも、初級者でリスニングに慣れていない状態で大量の読解をする場合、
発音や抑揚が自己流になってしまい、
「沢山読んで理解もしたものの、発してみたら通じない」
というリスクが上がってしまうからです。
リスニングの場合
リスニングも、聞いていて全く分からない教材ではなく、
- 内容を追える
- 概要が理解できる
- 知っている語彙が多い
教材を選びます。
発話を目指す場合、試験音声よりもリアルな音声の利用がおすすめです。
例えば、8割以上比較的楽に聞き取れるPodcastチャンネルなどを見つけられると理想的です。
量としては前項で触れた通り「一日数時間 X 数か月間」などが一つの目安になるでしょう。
かなりの量になるので、時間確保が難しい方は、「ピンポイントの内在化」でのアウトプット対策を検討すると良いでしょう。
筆者 Green の、「あれはインプット仮説だったのかな」と思った実体験の記事はこちら👇

まとめ
インプット仮説は、
「聞くだけで話せる」
「読むだけで話せる」
という単純な理論ではありません。
しかし、
自分に合ったレベルの英語を大量に浴びる
という考え方は、多くの英語学習者にとって参考になります。
英会話の練習を増やしているのに成果を感じにくい場合は、話す量だけではなく、
「理解可能なインプットは十分だろうか」
という視点からも、一度学習全体を見直してみても良いかもしれません。
自分に「インプット仮説」と「内在化・自動化」どちらが合うか知りたい方、今の勉強方法が合っているか知りたい方、語学習診断(10問・最短3分)を是非ご利用ください。


