英語学習者にとって、リスニングは最も挫折しやすい分野の一つです。
「聞き流していればそのうち分かるようになる」
という言葉を信じて長く続けているのに、いざドラマを観ると全く聞き取れない。
そうした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
その理由の一つは、「どの種類のリスニングを学んでいるか」にあります。
リスニングとひとことで言っても、実は目的や話し方のタイプによっていくつかの「層」に分かれています。

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多くの学習者がつまずく3パターン(状況分析)
①単語もほとんど入ってこない(初級)
初級者では、語彙を並行して暗記している事があり、音声に触れた時に「主語」「述語」という概念に語彙が収まっているというイメージがまだ持てない場合があります。
まずは、
最低限500語など最低限の語彙暗記
英文の構造「主語」「述語」の認識
「述語」がどれかをリスニングで意識すること
この3つのどれかが欠如していると、聞いても意味のある言葉として頭に入って来にくいです
②カジュアルになると突然聞き取れない(初中級)
多くの学習者は
「日常会話ができるようになりたい」
「海外ドラマを字幕なしで楽しみたい」
という目標を持っています。
しかし、実際に行っている勉強内容を見てみると、ほとんどの人が「練習音声」しか取り入れていません。
中には上級者にも、「ネイティブ同士の普通の会話」にほとんど触れていないケースがあります。
下図はレベルごとに必要なトレーニングを示す表です。

練習音声と、リアルな音声は大きく異なります。
例えば、リアルな音声には、
- 音声変化(音の脱落や弱化)
- 自然な速度(短めの文であれば1文は1秒以内)
- 語順への慣れ(修正しながら話したります)
- got into ~、bring up などの日常的な表現
こうした要素がありますが、連取音声にはこれら触れる機会大幅に少なくなります。
これにより、知っている単語でも聞き取れない状態になってしまうのです。
③長くなると理解が崩れる(中上級)
試験でもある程度答えられる
ネイティブの言っている事も半分くらいは分かる
でも、TEDのスピーチなどを聞いていると、
- 急に塊で入ってこなくなったり、
- 方向性を見失ったり
してしまうケースです。
これは、「リテンション」と言って、ストーリー全体の概要について
- 仮説を立てて先を推測する
- 既に述べられた内容を頭の中で記憶に維持する
といったスキルと関係しています。
対策3パターン
リスニングトレーニングは、大きく分けて三つの種類があります。
① 教材型リスニング(向いている人:初級者)
まず一つ目は、教科書や試験問題に使われているような音声です。
ゆっくり、はっきりと、そして音の変化が少なく、学習者にとって非常に聞き取りやすい作りになっています。
たとえば、学校の英語リスニング問題や、検定試験の音声などがこれにあたります。
このタイプの英語は「外国人向けに配慮された英語」と言えるもので、スピードも抑えられ、発音も明瞭です。
リスニングの基礎作りにはとても適しています。
発音や文の区切れ方を正確に理解し、意味を取りながら聞く練習に最適です。
ただし、実際の会話ではこのようにゆっくりとした英語が話されることは少なく、現実とのギャップが生まれやすい点もありますので、ここに長居すると伸びにくくなります。
② カジュアルなネイティブ英語(向いている人:初中級者)
そして2つ目が、最も多くの学習者が憧れる「ネイティブ同士の日常会話」です。
友人同士の会話やドラマ、ポッドキャストなどで話される自然な英語がこれにあたります。
例えば、カジュアルでリアルな口語特有の、「速度」+「音の脱落」で起こる場合、
Wanna let me take them out for you ?
ゴミを代わりに出しておいてあげましょうか?
は、
- 1秒ぐらいで言い終わる速さで、
- ワエッミー テイケマウッ フユ?
などのように聞こえます。
ネイティブは実に0歳からこの「速さ」と「雑さ」を「デフォルトの一種」として聞いている一方、
我々日本人学習者は、遅れてその経験を積んでいくというわけです。
② 長いネイティブ英語(向いている人:中上級者)
次に、ニュース番組やスピーチなど、長い英語があります。
このタイプは、
- 発音の自然さやスピードが本物に近い一方で
- 語彙や文法は比較的フォーマルで整っていて
- 長い
という特徴があります
たとえば、BBCニュースやTED Talksなどがこの部類に入ります。
明確な発音でありながらも、長いため、ストーリー展開に付いて行く必要があります。
①②では鍛えられない、「概要を掴み、記憶に維持する」
「リテンション」対策
で必要な素材タイプと言えます。
目的に応じたアプローチも大切
TOEICなら①③
もしTOEICや英検などの試験対策が主な目的であれば、①の音声だけでも成果を上げることができます。
800点以上を目指す場合などは、③も並行できると、リスニングの解像度が一層上がっていくでしょう。
TOEICの場合、「訛り」にも対応して行く必要があります。訛り対策の関連記事はコチラ👇
ビジネス英語は②や③が必須
英語を使って会話を楽しみたい、職場でネイティブとコミュニケーションを取れるようになりたい、映画を理解したいという場合には、②を早めに取り入れていくことが重要です。
たとえば、
①で基礎的なリスニング力を固めた後は、
②カジュアルな会話に少しずつ慣れていき、
ビジネスでの長丁場でも対応できるよう、
③のニュース英語やTEDのスピーチで「全体把握力」を付けて行く
といった流れは、スキルも積み上げていきやすいでしょう。
聞くだけでなく「分析する」姿勢を
立ち位置の認識が大切
リスニング力を伸ばすには、「ただ聞く」だけではなく、「なぜ聞き取れなかったのか」を分析し、
「どんなトレーニングが今の自分には効くのか」
を見定めるのが大切です。
リスニングに限らず、会話や読解も
- 英会話レッスンだけでは、会話力は伸びない
- 読解練習問題だけでは、本は読めるようにならない
など、技能ごとに陥りやすいパターンがあります。全体マップを知りたい方はこちらの記事がおすすめです👇
まとめ
リスニング学習は、「種類の違いを理解し、段階的に慣れていく」ことが何より重要です。
- ①教材型:基礎力を養う
- ②カジュアル型:ネイティブの「崩れ」を知る、慣れる
- ③大量型:リテンション力を磨く
①②③を必要なタイミングで学んでいけば、試験だけでなく、実際の会話の場でも英語がしっかり耳に入ってくるようになります。
焦らず、少しずつステップを踏みながら、本物の英語のリズムに耳を慣らしていきましょう。
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