先月、川崎CLUB CHITTAでの来日ライブも話題になった Sonata Arctica(ソナタ・アークティカ)。
今回のセットリストには残念ながら入っていなかったものの、ファンの間で根強い人気を誇るのが2001年リリースの名曲 “Weballergy” です。
疾走感のあるリズム、美しすぎるギターとキーボード、そして哀愁漂うメロディ。
「爽快さと切なさが同居する奇跡の一曲」と称されるこの曲ですが、
タイトルの “Weballergy(ウェブアレジー)” ― つまり「インターネットアレルギー」とは、どんな意味を持つのでしょうか?
楽曲について
- リリース年: 2001年
- 作詞・作曲: Tony Kakko(1975年生まれ)
2001年といえば、ちょうどインターネットが一般家庭に浸透し始めた時代。
SNSもまだ存在せず、「ネット上の自分」と「現実の自分」が乖離し始めた黎明期でした。
そんな背景を踏まえると、この曲のメッセージは今聴くとさらに味わい深いものがあります。
歌詞の直訳(抜粋)
We only have one candle
To burn down to the handle
No matter what they say
If you live like a man, You live in tales you tell私たちは1本のキャンドルしか持っていない
持ち手まで燃やし尽くす
彼らがなんと言おうとも
男らしく生きるなら、自分の語るストーリーの中を生きるんだ
(中略)
You let the phone line bring it home to you
The life, the lies, the dreams
You cannot see the real thing underneath
Naked truth revealed電話線を家に繋ぎ
人生、嘘、夢
裏に隠れた本当の姿を見ることができない
むき出しの真実が露呈する
筆者の解釈
率直に言えばこの曲は、
「ネットの中で生きるな、リアルを生きろ」という強いメッセージが込められているように感じます。
まだネットが“仮想世界”だった時代、
Tony Kakkoはその中毒性や孤立の危険性をすでに見抜いていたのかもしれません。
「魂をぶつけて生きること」
「現実に出て、人と触れ合い、自分の物語を生きること」
そんな“生身の生き方”を北欧らしい男性性と哲学的な視点で描いた一曲ではないでしょうか。
海外サイト “SongMeanings” でのファン解釈
世界のファンたちはこの曲をどう読んでいるのでしょうか?
海外の歌詞解釈サイト “SongMeanings” には、さまざまな意見が寄せられています。
以下はその一部を引用します(※引用文は原文のまま、一字一句変更なし)。
by stephenmcph 12y ago
I don’t think it’s about internet addiction necessarily. I think it’s about people who don’t go out of their comfort zones.訳:『必ずしもネット依存についてだけではないと思う。自分のコンフォートゾーン(comfort zone)を出ようとしない人たちについての事を歌っているのだと思う。』
by Zadion 14y ago
Yeah this song hit home to me too. I’m a total computer addict.『すごく自分に刺さる歌詞。自分も完全なパソコン依存だからね。』
by EnterOrion 15y ago
In my opinion, it’s about internet addiction. Not specifically internet dating, but it can be seen that way. I think it’s just about all forms of internet addiction, dating being one of them.I should probably listen to the song and get off my computer for an hour a day. ^.^
『パソコン依存の事についての歌なんだと思う。マッチングについてだけではないと思うけど、歌詞だけ見るとそういう風に見えるよね。私は、これは全てのタイプのネット依存についてで、デートやマッチングはそのうちの一つという事だと思う。毎日聞いて、一日一時間パソコンから離れてみようかな。』
by templario 16y ago
We can summarize the meaning of this song with the title… “Weballergy” Web – allergy I think On-line dating is the best answer, but also internet addiction.Reply · 1
by Arconite 15y ago
I agree. But what an anti-climax. Such a great song, about internet dating -.-“. Not to offend anybody but, really.Sonata rules!
『タイトルが歌詞を表していると思う・・・ウェブ+アレルギー。オンラインデーティングに一票、でもネット依存もきっとそう。』
『同感。ただ興ざめだな。素晴らしい楽曲なのに、テーマはネットマッチング・・・。誰も非難するつもりはないけど、けど、マジで。
ソナタルールね!』
by spitboi 16y ago
This song is about online dating with guys and how they have to be straight true about themselves and not pose/fake their appearances with modified images, fake personas, and other false information. They have to “keep it real to find her” as in be social and find that person for you in real life. That is the only way to find your true match.『この曲は男性のオンラインデーティング利用についてで、男性たちは自分らしく正直に居るべきで、見た目、性格、その他で嘘の情報を使ったりするなと言っているんだ。 男性たちは、”keep it real to find her” 相手を見つけるためにしっかりとリアルに自分らしく居るべきで、現実の世界で相手を見つけるべきだと言っている。そしてこれが唯一の本当の相手を見つける方法だ。とも。』
by Music is pure 18y ago
As I read it, the song seemed pretty clear to me. Adressed to people who sit in front of their computer all day long and live a virtual life instead of going out and experience something real. …『歌詞で明らかだと思う。この曲はパソコンの前に一日中座って外に出ずバーチャルライフを送っている人たちに向けられたものだよ。妄想の中での怒りや暴走を、外の世界を無視する理由にしている。…』
by Ninji-X 18y ago
Actually, this songs seems to be more about guys who do online dating to me. Here’s why: …『この曲はオンラインデートをする男性について歌っていると思う。… 最後の行は、オンラインではなく現実世界で誰かを見つける必要があることを歌っている。あくまで私の解釈。』
by Turkey Fried 21y ago
This song seems to refer to the “Macho Man” way of thinking. …『この曲はマッチョマン「男らしさ」について歌っていると思う。男たちは、時間が刻刻と経ち、いつまでも彼らの筋肉が彼らに自信を与えてくれるわけではないという事実を無視して、永遠に今のまま生き続けられると思っている。と。』
by slavetometal 18y ago
Nope sorry, wrong there Turkey.. It’s ultimately about prostitution (Traditionally the prostitute and customer could have sex till the candle burnt down). …『悪いがTurkey、君は間違っている。この曲は究極的には売春の事だ(昔の売春はロウソク1本がサービスタイムだった)。…』
まとめ:Weballergy が今も刺さる理由
“Weballergy” が発表された2001年当時は、今ほどネットが生活に密着していなかった時代。
それでもTony Kakkoは「バーチャルに逃げるな」「リアルを見ろ」と警鐘を鳴らしていました。
20年以上たった今、この曲のメッセージはむしろ現代にこそ刺さるのではないでしょうか。
SNSやAIに囲まれた時代だからこそ、「keep it real(リアルであれ)」という言葉が、心に強く響きます。
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