TOEIC600点台の学習者のための読解対策

TOEICの500~600点台は、いわば「伸び盛り」の段階です。基礎的な文法や語彙をある程度身につけ、金フレ(『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』)、でる1000(『TOEIC L&R TEST 文法問題でる1000問』)、公式問題集などの専用教材にも取り組み始めている頃でしょう。この段階では、学習を継続すればまだ大きな伸びしろが残されています。適切に課題を見直しながら取り組むことで、スコアは着実に600点台から700点前後へと到達していくはずです。

ここでは、500~600点台で停滞しがちな学習上の課題と、本番での戦略面での見落としを整理しながら、次のステップへ進むための具体的な対策を解説していきます。


TOEIC300点台の読解対策
TOEIC400点台の読解対策
TOEIC700点台の読解対策

学習面での見直し ― 「分かっているつもり」をなくす

500~600点台で伸び悩む方に多いのが、「分かっているつもり」になってしまうことです。例えば、金フレで頻出単語を暗記したつもりでも、熟語やSupplement(補足部分)を飛ばしてしまっているケースは少なくありません。さらに、でる1000を一通り解いたものの、間違えた問題を十分に復習できていないこともあります。

この状態では、「教材をやり切った」という達成感はあるものの、実際には文法や語彙の網羅性が欠けているため、得点力につながりにくいのです。TOEICは繰り返し出題されるパターンが多いため、網羅性が欠けていると「見たことがない」「理解しきれていない」という問題に頻繁に出くわしてしまいます。

したがって、改めて自分の学習の進め方を点検し、「まだ取り組み残している部分はないか」「正解できた問題も根拠を理解しているか」を振り返ることが重要です。


弱点の炙り出しと克服方法

手持ちの教材を繰り返し解いているうちに「なんとなく覚えている」と感じても、それが本当に定着しているとは限りません。ここで有効なのが、オンライン上の模擬問題や韓国版公式問題集など、これまで触れたことのない練習問題を使う方法です。新しい素材に取り組むことで、今の自分の弱点が明確に炙り出されます。

例えば、「関係詞が出てくると途端に文が読めなくなる」「選択肢の語彙で迷うと時間がかかる」といった具体的な課題が見つかるはずです。その課題が見つかれば、重点的に練習することで克服が可能になります。

また、最近ではChatGPTなどを活用して、自分の弱点に合わせた練習問題を作成してもらう学習法も効果的です。スキマ時間に数問だけでも解く習慣をつければ、弱点を集中的に補強できます。


本番での戦略 ― 時間配分の見直し

学習面が整っていても、本番でスコアが伸びない原因の一つは戦略の甘さにあります。特に500~600点台では、次のようなパターンがよく見られます。

  • 長く居座るべきではない問題に時間をかけすぎてしま
  • パート5と6に時間を費やしすぎて、パート7に十分な時間を残せない(最後の10問が時間切れで当てずっぽうになってしまう)

TOEICは全200問を限られた時間で解く試験です。正解率を高めることはもちろん大切ですが、それ以上に「得点を落としにくい戦い方」を身につけることが不可欠です。


模試形式で弱点を確認する

戦略面を強化するためには、本番同様に制限時間を設けて模試形式で問題を解いてみることが効果的です。実際にマークシートを使い、200問を通して解ききることで、自分がどのあたりで失速するかが見えてきます。

例えば、「180番以降で集中力が切れる」「パート7の後半に時間が残らない」といったパターンが分かれば、その原因を突き止めて改善することができます。

パート5や6の文法問題は、繰り返し練習すれば比較的短時間で正解できるようになります。したがって、これらの問題にかける時間を圧縮することが大切です。

また、パート6の長文は意外に時間を奪われやすいので、場合によっては一度保留にしてパート7を優先するのも戦略の一つです。


学習と戦略の両輪で600点台突破をめざす

最終的に500~600点台から抜け出すためには、学習そのものと戦略の両方を整える必要があります。学習面では「分かっているつもり」をなくし、弱点を徹底的に潰していくこと。戦略面では、自分の得点が伸び悩む原因を分析し、時間配分を改善していくことが欠かせません。

特にTOEICは、同じ教材を繰り返すだけでは頭打ちになりやすい試験です。新しい問題に挑戦することで課題を明確にし、その課題にピンポイントで取り組む習慣を持つことが、次のスコアアップにつながります。

500~600点台を抜け出すための壁は決して高くありません。日々の学習の積み重ねと戦略の工夫で、その先にある600点台、700点台への到達は十分に実現可能です。

verde 英語コーチングは、個別の課題の分析やそれを踏まえた学習計画の策定、学習への伴走をしています。
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