TOEIC300点台の学習者のための読解対策

TOEICで300点台にとどまっている学習者の多くは、基礎的な語彙や文法が十分に身についていないため、短文であっても正確に解釈することが難しい状態にあります。読解問題に取り組んでも、単語や文法の理解不足が障害となり、本文の意味がつかめず、設問に答えられない場面が多いのではないでしょうか。

この段階で大切なのは、いきなり長文を多く読むことではなく、文の骨格を作る基幹的な文法最低限必要な語彙力を確実に積み上げることです。その土台を作った上で、少しずつTOEICの読解パートに触れていくことで、理解度を着実に高めていけます。

以下では、具体的な学習ステップについて解説していきます。


TOEIC400点台の読解対策
TOEIC600点台の読解対策
TOEIC700点台の読解対策

読解の前に押さえるべき基幹文法

まず最優先すべきは、英文の「土台」となる文法項目です。全ての英文の基礎となる、以下のポイントを集中的に学びましょう。

文型(SVOなどの骨格)

英語の文章は「誰が」「何をする」という骨組みでできています。

  • S(主語)+V(動詞)
  • S+V+O(目的語)
  • S+V+C(補語)

など、基本の文型を理解することで、英文を一文ごとに整理して読めるようになります。文型を意識せずに読むと、どこが主語で何が動詞なのか分からなくなり、意味を取り違えてしまうことが多くなります。

品詞の役割

文章を正しく読むには、名詞、動詞、形容詞、副詞など、品詞の働きを押さえることも不可欠です。特にTOEICの問題では、空欄に入る単語が名詞か動詞かを見極める力が問われるため、品詞の理解は読解だけでなく文法問題の得点力にも直結します。

副詞節(As, Since, Though など)

接続詞で始まる副詞節も、知らない場合、英文全体の構造を見落としてしまいます。

  • As = ~なので、~するとき
  • Since = ~なので、~以来
  • Though = ~だけれども

これらを正しく理解できれば、文同士のつながりを自然に追えるようになります。

that節

~という、~と言ったなど、名詞節や従属節を導くthatも、文章を読み解く上で必須の知識です。

  • I think that ~ (~だと思う)
  • The fact that ~ (~という事実)

特に「主語+動詞+that節」という構造を素早く把握できるように練習しましょう。

関係詞(who, which, that)

関係代名詞は「名詞を後ろから説明する」働きをします。

  • the man who works here(ここで働いている男性)
  • the book that I bought(私が買った本)

この仕組みが分かると、長い名詞句に、戸惑わず気づく事ができます。

受動態

受動態も、誤って能動態で読むと全く違う文脈になってしまうので、必須知識と言えます。

  • The meeting was cancelled.(会議は中止された)
    能動態との違いを理解しておくことが大切です。

不定詞

to+動詞は、「~するために」の用法などで使われる事が多く、知らない場合一文に動詞が二つ現れたように解釈して混乱してしまうかもしれません。

  • to do(~するために)
  • something to eat(食べるための何か)

読解問題の中でも頻繁に登場するので、必ず押さえておきましょう。


語彙学習の進め方

文法と同時に欠かせないのが語彙力です。基礎が不足している場合は、まずは頻出語彙を確実に暗記することが文法同様、最優先になります。

基本単語帳の活用

ターゲット1400」や同レベルの単語帳を利用して、毎日少しずつ暗記を進めましょう。300点台からのスタートであれば、最初の目標は800語程度を確実に定着させることです。

暗記のコツ

  • 英語→日本語で即答できる形で覚える
  • 定期的に復習も行い、苦手な単語は集中的に訓練する
  • 通勤や隙間時間にアプリを活用する

TOEICの文章はビジネスシーンを題材にしていますが、基本的な動詞・名詞が理解できれば大枠をつかむことは可能で、読解練習問題を読み始める事ができます。


読解練習を始めるタイミング

基幹文法の理解と800語程度(たとえばターゲット1400のうちの800語)の語彙暗記が進んだら、いよいよ読解問題に挑戦してみましょう。

ただし、この時点ではまだ十分に読み切れない箇所も多いはずです。重要なのは、分からなかった部分をそのままにせず、学んだ文法に立ち返って確認することです。

実践で学ぶ姿勢

  • 文章を読みながら「これはS、これはV」と文型を確認する
  • 出てきた文法事項を都度調べて整理する(特に既に学んだ基幹的な文法はしっかり意識/理解しながら進む)
  • 分からない単語は必ずチェックして復習する(リスト化して単語帳と別に蓄積できれば理想的です)

この繰り返しによって、知識が「読解で使える力」に変わっていきます。


継続するための工夫

TOEIC300点台からの学習は、最初は理解に時間がかかり、成果を感じにくいこともあります。そこで以下の工夫を取り入れると良いでしょう。

  • 小さなゴールを設定する
    「今日は新しい単語を20個覚える」「文型の例文を5つ書き出す」など、達成感を得やすい目標を立てる。
  • まずは基幹的な文法と単語800を目標とする
    このゴールであれば3-4か月程度で達成できるケースが多く、その後は中級の学習者同様練習問題の演習に入って行く事がでkます。まずはそれを目標としてモチベーションを維持しましょう。
  • アプリやAIを活用する
    語彙テストや文法問題を自動で出題してくれるツールを利用すれば、効率的に練習できます。チャットGPTに文法練習問題を生成してもらったりやTry Itの文法解説動画を利用するなど、学習が楽になる方法をどんどん導入しましょう。

verde 英語コーチングでは、英語レベルに合わせた読解対策、学習計画を策定し、学習者に伴走しています。
是非ご相談ください!

Verified by MonsterInsights