40代から英語を学び始めることは十分にアリです。むしろこの年代だからこそ有利な点も多く、確かな成果につながる学び方があります。ここでは、40代が抱えがちな不安を整理し、それが妥当かどうか、さらに40代以降だからこそ活かせる強み、そして効果的な学習プロセスについて順を追ってお伝えします。
多くの人が「難しい」と感じるポイント
40代で英語をゼロから始める際、不安に挙がりやすい点は以下のようなものではないでしょうか。
・何千語も暗記する記憶力の不安
・向いていないから今まで避けてきたという苦手意識
・練習時間が確保できないという懸念
・独学だけでは不安で英会話教室も必要なのではという迷い
・中年以降でもリスニング力は伸びるのかという疑問
・そもそも何から始めればよいのか分からないことによる不安
これらは誰もが一度は抱くもので、決して珍しい悩みではありません。ただし、実際に学習を進めるうえで、この不安がどれほど妥当なのかは改めて考える価値があります。
その不安は本当に妥当か
英会話に必要な語彙数は一般に三千語と言われます。しかし、三千語を全員が必ず覚えないと会話ができないという意味ではありません。実際には、必要な語彙は人それぞれであり、基礎語彙を深く使いこなすことで十分にコミュニケーションが成立します。
English Clubの記事でも、二千語の最重要語を深く扱うことで意思疎通は十分可能だと説明されています。動詞に前置詞を組み合わせるだけでも多くの表現が生まれます。例えば ‘Fall’ は「落ちる」ですが、 ‘fall out with’ fall: 落ちる, out: 輪の外へ, with: 誰と いう構造で、同じ輪に居られなくなる=「仲たがいする」 という意味になっています。 fall のように前置詞を付けるだけで使える方向性が大幅に増える単語はいくつかあり、それらを把握するだけでも表現の幅は飛躍的に拡大します。
また、苦手意識についても、そもそも英語は学問である前に「人の意思・思想・感情を表現・伝達し、相互理解するための手段」であり、向き不向きだけで判断する必要はありません。英会話の他、推し活や趣味、読書など、あなたの世界に英語を組み込む方法はいくらでもあります。
発音や文法に不安があっても、たとえば「自分の興味を英語で知ること」を軸にすると、英語が「向いていない」という判断にはなりにくいはずです。
実は40代からが有利な理由
40代以降は、若い頃よりも世の中の仕組みや働き方、趣味の広がりについて理解が深く、自分の関心も明確になっていることが多い年代です。この「興味の方向性がハッキリしていること」は英語学習では大きな強みです。
若い頃のように網羅的に暗記するのではなく、自分の趣味や仕事に合わせて語彙を偏らせても、そこから確かな英語の土台は育ちます。それは決して独りよがりの学習ではなく、習得効率を上げる合理的な方法です。
さらに、試験勉強を先行させると話せなくなるリスクが指摘されることもありますが、40代からのスタートであればこの罠を回避し、自分に必要な英語を最短で育てることができます。この点はむしろ大きなアドバンテージと言えるでしょう。
40代向け 英語学習成功のポイント:軸は教材ではなく「自分」とする
40代がゼロから英語を始める際に意識したいのは、市販テキストの丸暗記を優先しないことです。網羅的な暗記は運用力につながりにくく、挫折のリスクを増やすため、避けたい取り組み方です。
まずは、何のために英語を習得したいのか明確にし、紙に書き出して整理します。
たとえば外国人向けに中古車を販売したいビジネスマンなら、市場、サービス、セールスポイント、接客時のセリフなど、あなたのビジネスに関連する事柄をブレインストーミング(思いつくままにひたすら書き出す事)をしていきましょう。ブレインストーミングで出てきた内容こそが、これからあなたが必要な英語の日本語版の軸です。
言語研究者を目指すのでなければ、社会人は特に、自分自身から外国語学習を出発させる事が成功の最大の鍵と言えます。
TOEIC対策のポイント:いきなり中学文法の一章から始めようとしない
転職や職場の方針でTOEICが必要な方もいると思います。もちろん40代からでもTOEICスコアアップもは可能です。
しかしここでも、いきなり参考書に手を出すのは挫折の原因になりがちです。
中学英語がある程度思い出せる方は、まず準備なしで一度受験してみることをおすすめします。本番では多くの気づきがあり、試験直後にメモを取っておくと、その後の学習計画が立てやすくなります。
右も左も分からないという場合は、中学文法を一から網羅しようとせず、旺文社ターゲット1200やそれに内容の近い単語帳で少しずつ単語暗記をすすめつつ、土台となる文法(品詞や文型)を必ず優先しましょう(詳細はこちらをご参照ください)。土台が身に付いたらその他の文法項目に一つ一つ着手して行きます。単語と土台となる文法の学習に少しずつ慣れてきたら、いざTOEICの初級練習問題などを利用していきましょう。
また練習問題もいきなり解き始める前に、TOEICの世界観を先に掴むことから始めましょう。機械故障、スケジュール変更、清掃業者との調整、海外支店の役員訪問など、TOEICは扱うシーンがある程度固定されています。公式問題集の全文和訳や解説を読み、場面展開を先に理解しておくと、問題の意図が格段に掴みやすくなります。
verde 英語コーチングでは、時間の無い社会人がモチベーションを維持しながら道すじを間違えずに効率的な英語学習を進めるサポートをしています。適切な順序でスキマ時間などを有効活用すれば、社会人でも十分に英語スキルアップは可能です。
