英文法学習のコツ|秘訣は土台作り(品詞と文型SV)にあり

英文法の基礎を品詞と文型から固めることで、長文読解でも迷わず骨子である主語と述語を見つけられるようになります。

中学文法を独学で勉強して結局良く分からず挫折しそうな方必見。

TOEICや英検の読解力の一歩目ともいえる「土台作り」について解説します。

英文法の土台は品詞と文型から

英文法を学ぶ際、中学文法や多くの市販の文法書の順序に沿って、つい時制や一般動詞/be動詞の使い方などから英文法を始めてしまいがちです。しかし、英文法の学習で最も大切なのは、文の骨格である品詞の見分け方文型の理解です。特に主語と述語の関係、つまりSVの把握がすべての基盤になります。ここをしっかり理解しておかないと、長文読解で迷うことが増え、学習の挫折につながる場合があります。

特に学校の試験があるなどの事情がない社会人は、文法書はトレーニング教材ではなく、辞書の様に使いましょう。辞書を買って1ページ目からしらみつぶしに見る人はあまりいませんよね。

品詞や文型を理解していると、文章中の動詞がすぐに認識でき、その動詞に対応する主語も自動的にわかるようになります。例えば、英文の中で主語が長く複雑になっている場合でも、述語を先に見つけることで、主語の範囲を迷わず特定できます。


長い主語でも焦らずに述語を見つける

英文読解では、しばしば主語だけで50語以上などに渡る文章に出会うことがあります。TOEICではそこまで極端な例は少ないものの(英検ではあり得ます)、読解力の本質を問われる場面では、こうした長い主語を正確に把握できるかが非常に重要です。

例えば次の英文を見てください。

The girl who loves to listen to music every morning before school, who plays the piano in her small room and sings softly when nobody is around, who believes that songs can make people happier and bring peace to their hearts, is always smiling.

この文章の述語は「is」で、その前の長大な部分がすべて主語です。主語の中には関係代名詞や副詞節などが含まれていますが、述語を正確に見つけることで、どこまでが主語かを迷わず判断できます。(その意味で関係代名詞や副詞節の学習も、文型の次に最優先の文法項目となります。ほぼ平行するようにこの二つやthat節、分詞構文、仮定法などは意識して行くと良いでしょう)

和訳すると次のようになります。

学校へ行く前の毎朝、音楽を聴くのが大好きで、自分の小さな部屋でピアノを弾き、誰もいないときにそっと歌い、歌が人を幸せにし、心に平和をもたらすと信じているその少女は、いつも笑顔でいる。(日本語で述語はいつも読点の直前です)

ここで重要なのは、文章を読むときに常にSVを意識していることです。長い修飾句や関係節に惑わされず、まず述語Vを見つける。この動作を繰り返すことで、自然と主語Sの範囲も理解できるようになります。これは10文程度では身に付きにくいですが、200文ほどしっかりスラッシュリーディングなどでSVを見つけていくトレーニングをすると、長い修飾句や関係節に惑わされないようになってきます。最初のうちに分からないと思って辞めない事もポイントです。


SV意識の重要性と学習の順序

英文法の学習は、まず品詞の理解から始め、次に文型、特にSVの把握に進むのが理想です。ここを飛ばして時制や動詞の使い方から学び始めると、どの語が主語でどの語が動詞かが判断できず、結果として読解や作文でつまずくことが多くなります。中学二年生が英語で挫折してしまう主因の一つだと思います。

SVを理解した後であれば、時制や助動詞、be動詞と一般動詞の区別もスムーズになります。読解の際、文中の述語Vを瞬時に認識できるようになると、長文でも迷わず理解できる力が身につきます。

特に長い主語や複雑な関係節を含む英文に出会った場合も、まずVを見つけることができれば、文章全体の骨格をつかむことができます。逆にVを見つける力が弱いと、どこまでが主語かがわからず、読解のスピードと正確性が大幅に落ちてしまいます。


読解力向上のための実践ポイント

  1. 文章を読むときは常にSVを意識する
  2. 長い主語でもまずVを見つける
  3. Vを見つけたら主語Sの範囲を確認する
  4. 修飾語や関係節は後から内容理解する
  5. 慣れるまでは英文を声に出して読むのも効果的

この順序を意識して学習すると、英文法の理解が格段に深まり、TOEICや英検の読解問題でも迷わずに主語と述語を見つけることができるようになります。長文に対しても恐れることなく読み進められる力が身につくのです。

主語と述語を迷わず見つけるための図解

英文読解で長い文に出会ったとき、まず意識するのは「SVの把握」です。長い主語や修飾句があっても、述語Vを見つければ主語Sの範囲も自動的に理解できます。以下に図解例を示します。


例文

The boy who wakes up early every morning to watch the sunrise, who feeds his dog and waters the garden, who dreams of traveling the world to meet new people, is very happy.


図解

[主語 S]
The boy
  who wakes up early every morning to watch the sunrise,
  who feeds his dog and waters the garden,
  who dreams of traveling the world to meet new people,
[述語 V]
is
[補語/述部]
very happy

ポイント

  • 主語Sは動詞Vまで
  • 修飾節(who~)はすべて主語の一部として考える
  • Vを先に見つけることで、Sの範囲が自然にわかる

長い主語練習用の例文集

TOEICや英検でも、主語が長い文章に慣れておくことは読解力向上に直結します。以下に練習用の英文を複数示します。すべて述語Vは1語程度にして、主語を重点的に読めるようにしています。


練習文1

The teacher who explains grammar clearly, who gives examples that are easy to remember, who encourages students to ask questions freely, is respected by everyone.


練習文2

The girl who loves reading books in the library every afternoon, who writes notes in her notebook carefully, who shares interesting stories with her friends, enjoys her study time.


練習文3

The company that produces eco-friendly products, that supports local communities through donations, that trains employees to improve their skills, has gained a good reputation internationally.


練習文4

The dog that runs quickly across the park, that barks loudly when strangers approach, that always returns home safely, belongs to my neighbor.


練習ポイント

  1. 文章を読むときはまず述語Vを探す
  2. Vまでを主語Sとして認識する
  3. who節などの修飾部分は主語の一部としてまとめる
  4. 修飾語や副詞句は後から内容理解する

SV把握力を高める練習法

  • 音読練習:声に出して読むことで、SVの関係が感覚的に理解しやすくなります
  • Vマーク練習:英文にVの位置をマークしてから読み、SとVを意識
  • 段落単位練習:長い主語を段落ごとに分けて、どこまでがSかを確認する

この3つの練習を繰り返すことで、複雑な英文でも迷わず主語と述語を特定できるようになります。TOEICや英検などの長文読解でも、読むスピードと理解の正確さが格段に向上します。


まとめ

英文法学習では品詞と文型、特にSVの理解がすべての基盤です。長い主語や複雑な関係節に出会っても、まず述語Vを見つけることで、主語Sの範囲が自動的にわかります。図解や練習文を使ってこの習慣を身につけることで、読解力は確実に向上します。

verde 英語コーチングでは、SVの把握から長文読解まで、学習プランを個別にプログラムし伴走するサポートを用意しています。英語力を効率的に伸ばしたい方は、ぜひ体験してみてください。

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