CEFR(セファール) A2からB1にリスニング・スピーキング(英会話力)を伸ばすために実際にやったこと【実例】

英検2級でも、現地の雑談は難しい。A2からB1へ――

「なんとか対処できる英会話力」

を身につけるために、実際に行ったことを紹介します。

「海外旅行で、最低限の日常会話ぐらいはできるようになりたい。」

そう考えて相談してくださったのが、自営業のTさんでした。

Tさんは英検2級を取得しており、挨拶や買い物などの簡単なやり取りはだいたい問題なくなくこなせる状態でした。

しかし、旅行先のレストランで隣に座った現地の人と会話になったとき、ほとんど理解できず、会話が成立しなかったそうです。

このようなケースは、実は珍しくありません。

A2からB1とはどのようなレベルか

A2(初級・日常会話)

身近なことについて、簡単なやり取りができるレベルです。

買い物、家族、仕事、旅行など、直接的に必要な内容について、短いやり取りを行うことができます。

B1(中級・自立)

身の回りのことなら、通訳なしでなんとか対処できるレベルです。

旅行先でのトラブル対応、自分の興味や仕事について簡単な理由を添えて説明することができるようになります。

このA2からB1への壁を越えられていない日本人学習者は、実は少なくありません。

資格試験では高得点を取れていても、

「自然な会話になるとついていけない」

ということは十分に起こります。

なぜ聞き取れなかったのか

Tさんは英検2級を比較的最近取得しており、基礎語彙や基本文法には大きな問題はありませんでした。

では、なぜ少し込み入った会話になると聞き取れなくなってしまったのでしょうか。

大きく分けると、理由は2つありました。

ネイティブの自然な英語の響きを知らなかった

試験音声と、日常会話の英語は大きく異なります。

例えば、

  • 音声変化(音の脱落や弱化)
  • 自然な速度(短めの文であれば1文は1秒以内)
  • 語順への慣れ(修正しながら話したります)
  • got into ~、bring up などの日常的な表現

こうした要素に触れる機会が少なかったため、知っている単語でも聞き取れない状態になっていました。

自分自身について英語で話した経験が少なかった

  • 旅行で楽しみたいこと。
  • 仕事での役割。
  • 家族との過ごし方。

こうした「自分のこと」を英語で表現した経験が、ほとんどありませんでした。

そのため、関連の話題が出ても、

「何を言えばいいのか分からない」

という状態になっていたのです。

Tさんの具体ステップ

Tさんが取り組んだリスニング対策

Tさんは、あえて自然な速度や崩しを含んだ英語素材を活用しました。

具体的には、

などの教材を利用し、試験用ではない自然な英語を大量に聞きました。

特に意識したのは、

「聞き取れなかった箇所を放置しないこと」

です。

聞き取れなかった部分を確認し、耳や頭に刷り込んだ上で、1〜2か月後に同じ音声へ再挑戦しました。

以前は雑音のように聞こえていた部分が、少しずつ言葉として認識できるようになっていきました。

Tさんが取り組んだスピーキング対策

まず、日本語でブレインストーミングを行いました。

  • 旅行で何を楽しみたいか
  • どのような仕事をしているか
  • 家族とどのように過ごしているか

など、自分自身について整理していきました。

その後、会話がどのように発展しそうかを先回りして考えました。

そして、AIを活用しながら、

「そのテーマで必要になりそうな語彙」

を大量に収集していきました。

Tさんの場合は、

300語 × 5テーマ

を目安に、合計1500語程度の関連語彙リストを作成しました。

例えば、

  • 旅行
  • 仕事
  • 家族
  • 趣味
  • 日常生活

といったテーマです。

各テーマの語彙を覚えながら、英会話の実践練習を行いました。

実践の中で、

  • 「この表現も必要だった」
  • 「この質問には答えられなかった」

という発見があれば、リストへ追加していきました。

A2からB1で重要なのは「自分の世界」を英語にすること

Tさんは、5つのテーマを終える頃には、

「自分にとって便利で汎用的な表現」

が分かるようになっていきました。

また、会話の中で困ったときにも、

「どう切り抜ければよいか」

を考えられるようになっていきました。

まさに、A2からB1ステップアップする事ができたのです。

A2からB1は、

単に単語量を増やす段階ではありません。

自分自身の生活や価値観を英語で表現できるようになり、

自然な速度の英語にも少しずつ対応していく段階です。

資格試験の得点だけでは測りにくい部分だからこそ、

実際の使用場面を想定した練習が重要になります。

まとめ

A2からB1へ進むために、Tさんが実際に行ったことは大きく2つでした。

1,自然な速度の英語に触れ、聞き取れなかった部分を繰り返し確認すること

2,自分自身について話すための語彙を整理し、実践を通して更新していくこと

(2は、内在化、自動化 とも呼ばれている、第二言語習得理論にも沿った方法です)

英検2級を取得していても、自然な会話で苦戦することは珍しくありません。

だからこそ、

「何ができなくて、どの場面で困るのか」

を具体化し、その場面に合わせた練習を積み重ねていくことが大切です。

A2からB1への一歩は、「基礎知識を増やす」だけではなく、

「現場のリアルな音声の響き方を知る事」や
「自分の生活を英語で語れるようになること」

なのかもしれません。

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